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今日は今月読んでよかった本について書く。
前半はほとんど、手元にある文庫の再読なのでさらっと。恩田陸の『黄昏の百合の骨』は結末部分をだいぶ忘れていたのでちょうどよかった。詰めの甘さが残る少女の理瀬が『薔薇の中の蛇』ではすっかり大人の女性になっていて、驚いた。寒くなったな、と思った日に再読したのはアンナ・カヴァンの『氷』。あとは宮木あや子の『雨の塔』と『砂子の中より青き草』と『花宵道中』。いつも『太陽の庭』ばかり読んでるので、雨の塔は久しぶり。花宵道中は2年ぶりくらい。やっぱり霧里は不器用だけど優しいしかっこいいし、その後の八津の話の温かさに救われる。砂子の中より青き草で、定子さまかわいい〜!!この3きょうだい超かわいいな〜!!と沸き立ち、そういえば紫式部は来年の大河だっけ、と思い至りキャストを調べる。あんまり時間取れなそうだけど、見たいなあ。

今月読んでよかったもの
⟡今宵、嘘つきたちは影の幕を上げる
→少女サーカス、ブランコ乗りのサン=テグジュペリの続編。ちらっと読んでたWeb連載がやっと本になってくれて嬉しい〜。うるはちゃんが好きでした。ああいう世界で歌姫をやるような子は、やっぱりみんな強かなのね。
✧︎青いノート、少年
✧︎からたちの花
→これが昭和一桁に書かれたものってすごいよ。そして、この時代に生きたひとたちはやっぱり違う。きれいだ、って思ってしまうけれど、そうでなければみんな生き延びられなかったのかも。少年の結末は、かわいそうすぎて胸が痛んだ。女性に意志があると思われてない時代だから仕方ないのかもしれないけれど、実娘を置いて再婚して、男の子の母親になるってどういうこと!?と最初だけ引っかかってしまいました。
✧︎地球にちりばめられて
→星に仄めかされて、太陽諸島と一気に読んでしまった。なにこれ。これを今までに読まなかったことが信じられないくらい、よかった。いらない縁なんてなくて、かならずどこかで繋がってる。アカッシュが好き。仕方ないのかもしれませんが、彼がクヌートを踊りに誘った時、hirukoに好きな男をとられてかわいそうで、なんとも言えない気持ちになりました。自分が当たり前のように男性を好きになれて、その男性と関係を持ちやすい女性であることの意味を考えた。

最後に読んだのがからたちの花なので、今はもうすっかり吉屋信子の気分になり、花物語上をまた読んでる。最初に読んだのは、2年くらい前、水族館に向かう途中の電車じゃなかったかしら。しばらく海を一緒に見ていない気がする。また行きたいな。

11月はあっという間だった……、って毎月言って、もう来月には2023年が終わるのか。今待ち遠しいのは12月14日、12月14日。どうか幸せな結末が彼にきちんと用意されてますように。