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どうやら本人はまわりを低く見ているわけではないようで、自分が異質なので誰にも理解されないだろうとあきらめて、まわりに気を使うのをやめて好きなように振る舞っているようなところがあった。

 

「希望なんて役に立つのか。運命の海で溺れているだけなのに」

多和田葉子  『太陽諸島』

傷つけられたくないから、先に誰かの傷口を抉るようにしている。優しくしていたら、いつもにこにこしていたら、なめられ、都合のいいように使われるのだから仕方がない。
吐き気がするのも腹痛に苛まれるのも見事に出社の日だけなので、適応障害とはこういうことか、という感じ。伝わるかどうかわからない相手にわたしの言葉を使うのは面倒くさいし、自分は間違えないからいいや、と思って注意喚起はしない。でも同僚はそうじゃないみたいだ。いつもこっそりミスをカバーしてあげていた後輩が、他人のミスには不寛容で、ちゃっかり注意喚起をしているのを見ては、なんだかなって思った。自分以外莫迦だと思う気持ちはわかるけれど、わかるんだけれど、そんな露骨に出さなくても。ひとりで働いているわけじゃないんだから、いつかは見下してる莫迦に助けてもらう時もあるのに。
こういうことを書いていると、自分が周りと仲良くしたい人間みたいで嫌になる。みんなに好かれてたい、そんな気持ちが自分の根本にあるなら消したい。わたしと、わたしが好意を抱いているひとだけが笑っていればよくて、それ以外の人はどうなろうと知らないと思っているくらいには、社会性が希薄だと自認してるんだけど。本当は人を愛したいっていうの?